東克樹のコントロールと山本祐大の配球問題

 首位攻防カード阪神戦。初戦を取って2戦目です。最低でも勝ち越したいカードですが、どうなるでしょうか。

 先発は東投手。立ち上がりはよかったですね。マークをしておきたい近本・中野両選手を連続三振に斬って落とし三者凡退。2回表は無死1,2塁のピンチに陥りましたが、無失点に抑え、後は落ち着いたピッチングで阪神打線を翻弄していきます。

 打線は初回に佐野選手のタイムリーで先制。先頭の関根選手がヒットで出ると、大田選手がフルカウントからエンドランで進塁。阪神バッテリーが佐野選手の初球を警戒して変化球から入ったところ、関根選手が三盗を成功させました。この1手が勝負を分けましたね。内野前進シフトとなったところを佐野選手がピッチャー返しのセンター前でランナーがホームに返ってきました。

 試合は東ー伊藤将の投手戦となっていきます。こうなると関根選手の三盗がじわじわと阪神さんに対してボディブローのように効いてきますね。6回には先頭の大田選手が2塁打を放ち、牧選手がタイムリー2ベースで追加点。そのまま東投手は9回まで抑えきって完封勝利です。見応えのある投手戦でした。

■こだわりを捨てて自由になった東ー山本バッテリー

number.bunshun.jp

 本日のヒーローはなんといっても東-山本バッテリーではないでしょうか。東投手は5安打無四球の投球。山本選手は阪神打線に狙い球を絞らせない配球だったように思います。

 東投手はストレートで押す投球ではなく、変化球を中心にしつつ、ここぞというところでアウトローにドスンと投げ込むような投球でした。ストレートもあるぞと最後に見せつける。カウント球のストレートもあれば決め球のストレートもある。空振りを取れるチェンジアップやスライダーも持っている。しかも本日は無四球、69イニング投げた合計でも四球は5。キャッチャーミットとのズレもほぼないくらいの見事なコントロールでした。ベテラン投手のようなピッチングでしたね。

 一方、捕手の山本選手は前回の日ハム戦で三嶋投手にスライダーを連投させて痛打を浴びています。

kajiwaradamono.hatenablog.com

 あのボールを反省点にしたのかどうかはわかりませんが、本日は同じボールを3球連続というのはなかったと思います。ただ、同じコースを連投させるというのはありました。

 梅野選手の第1打席はカットボールとストレートをインコースに入れた上、アウトコースのストレートを詰まらせてライトフライ。こうやってインコースを意識させた上での第2打席ではアウトローを5連投させて三振に斬って落としました。意識のさせ方が非常に巧い。

 同じボールを連続で続けるのは、打者の裏をかいたつもりではあるものの、徐々にタイミングがあってしまう可能性があるんですよね。しかし、同じコースを連投させても球種が違えばタイミングを合わせづらい。これこそが狙い球を絞らせない配球なんじゃないかと思います。

 素人が配球のことをとやかく言うのはどうかと思いますが、テレビで見てて、面白いなあと感じることはできました。”やきう”観戦の醍醐味として楽しむ分にはいいと思ってます。

 今後はどういう配球で相手チームと相対していくのか。東ー山本バッテリーは次回登板も楽しみですね。

【2023年6月24阪神

神000000000|0

横10000100× |2  

横浜スタジアム(ホーム)

De2-0阪神

勝利投手  東 (7勝2敗0S)