我慢で投げきる大貫晋一問題

 ベイスターズさん、3連敗中です。自力優勝がなくなったもののまだ優勝は狙える位置にいる。ただ、リーグで一番試合数が残っているので、逆にCSに行けなくなる可能性も残っている。10連戦中なので、勢いに乗れれば大型連勝もありますが、ガタガタっと崩れてしまう大型連敗になってしまう場合もあります。連敗は早めに止めたいところ。本日からは東京ドーム巨人戦です。

 先発の大貫投手は、毎回のようにランナーを出しながら粘りのピッチングで立ち上がりからなんとか失点を防いでいきます。相手先発の山﨑伊織投手もシュートとカットボールで横に揺さぶり、ベイスターズ打線を抑えて序盤から投手戦の様相を呈していきます。

 先制したのはベイスターズさん。6回表に先頭の佐野選手がライト前に運ぶと次の牧選手が三塁線に強い打球を放ち、岡本選手がはじく。そして宮﨑選手が甘く入ったカットボールをレフト前に運んで先制。もう一つ、嶺井選手の打球を山﨑投手がさばききれずに2得点です。

 しかし、その裏には大貫投手が岡本選手に被弾されて1点差。緊迫した試合が続き、7回以降はリリーフ合戦となっていきます。両者ともに喉から手が出るほどに点がほしい展開の中、その1点が取れたのはベイスターズさんでした。

 9回表2死から桑原選手がヒットで出ると、楠本選手がフルカウントからセンターオーバーの2ベース。1塁走者の桑原選手は自動スタートだったので、楽々ホームインできました。

 この1点が大きかったですね。2点リードとなると相手チームは本塁打以外はランナーを2人以上溜めなければ同点にはできない。そうなるとバントで進塁させることはありませんから無死でランナーが出ても併殺の可能性がある分、ベイスターズさんはかなり有利になりました。楠本選手はシーズン終盤で大きな仕事を果たしましたね。

 9回裏は当然ヤマヤス投手が登板。無死でランナーを出すも、併殺に切って落とし、なんとか逃げ切りました。チームは3連敗でストップ。産みの苦しみのように感じた久々の勝利。勝つって難しいんですね。

■抜け球を続けずに持ち直すピッチングができるようになった我慢の大貫投手

 巨人戦には強い大貫投手ですが、ポランコ選手やウォーカー選手、坂本選手、岡本選手といった主力選手には対戦成績打率4割以上打たれているんですよね。そのため、抜きどころがまるでないので、立ち上がりから慎重に投げ込んでいるような印象を受けました。

 本日の立ち上がりはスプリットがなかなか落ちずにストレートとツーシーム、カーブとスライダーを対にしながら相手打者をかわしていきましたが、中盤からはスプリットがしっかりと落ちるようになりました。ときにはクイックで投げるなど、手を変え品を変え、我慢をしながら投げ続けます。

 毎回のようにランナーを出すので、5回を終えたころには90球を越えてしまいます。

 先制した直後の6回裏に岡本選手に打たれたカーブは完全に抜けてしまいましたね。そのあとも四球に出してしまうものの、なんとかこの回は切り抜けました。

 連戦でリリーフを簡単に出せない状況というのもあったのですが、大貫投手はよくこの回を我慢しながら投げきりました。6回7回をなかなか乗り越えられない大貫投手ですが、本日の登板では、その壁を壊す兆しのようなものが見えたような気がします。

 本日のようなピッチングを続けていけば、大貫投手はもっともっといい結果が出るのではないでしょうか。来季以降も楽しみですね。

 

【2022年9月18対巨人戦】

横000002001|3

巨000001000|1  

東京ドーム(ビジター)

De3-1巨人

勝利投手 大貫 (11勝7敗0S)

セーブ 山﨑 (0勝2敗34S)

首位と6.5ゲーム差