エリアン・エレラと外国人枠問題

 前回のエントリーで書いた『結局、ベイスターズセカンドサードは誰になるのか問題』の続きです。候補として挙がっている選手の中で不利な環境に置かれているのが、エリアン選手とシリアコ選手。2人の競争相手は野手だけではなく、投手にもいるのです。要はセカンドサード問題には外国人枠問題も絡んでくるということですね。

 現在の日本プロ野球における一軍登録の外国人枠は4人。また、投手または野手として同時に登録申請できるのはそれぞれ3人までと決まっています。1:3か2:2までということで4:0はできないということですね。

 昨年までの活躍を考えると、ロペス選手の2軍落ちはケガでもない限り、ほぼあり得ません。となると、残り3枠を上記野手2人とクライン投手、ウォーランド投手、パットン投手の5人が争うような形となっているわけです。

 この争い中で昨季から活躍してくれたのはエリアン選手ただ1人。4人は新天地でのスタートということになるので、心境の入り方が全く違うと思います。

 

 エリアン選手は昨年、シーズン途中からベイスターズ入り。日本野球へのアジャストに戸惑ったからか、1年通して打率.218でした。それでも9月は.270、チーム3位の9打点をあげています。当初は慣れないサードを守っていたことも調子が上がらなかった理由の一つではないでしょうか。

 彼のチャームポイントとして、まず第一に挙げたくなるものはその人柄にあると思います。悪送球を放ってしまった後にマウンドに向かうときの申し訳なさそうな表情。球場でファンサービスをしすぎて、アップに遅れてしまい走っていく姿、ストレッチをしながら同僚の選手たちに茶々を入れる無邪気な性格。そして、菊地亜美。人として嫌いになれない要素を多分に持ち合わせています。

 プレイに関しても、長打は多くないものの、性格に似ずクレバーな活躍を見せてくれました。CSファースト3戦目のバント以外にも、シーズン初本塁打が逆転満塁弾。6月20日のバスターエンドラン、7月7日の乙坂選手のフェンスにぶつかるファインプレイからのダブルプレイに入った中継、相手守備のスキを突いた走塁、左右に打ち分けるバッティング。外国人には珍しい縁の下の力持ち的な役割を担ってくれていました。印象に残ったプレイになぜか、絡んでくる選手ですね。彼のプレイはチームに勢いを持たせます。

 チームとしては、エリアン選手以上の活躍をしてくれる選手が出てくれる方がいいのだと思うのですが、心情的には彼をないがしろにしてほしくないというか。まあ、ラミレス監督も2パターンの打撃オーダーの中の一つに「2番セカンド」として入れているので、戦力構想内に入っていると思うのですが、今季もぜひ、頑張ってもらいたいです。常時スタメンに入れば、昨季以上の活躍を必ずしてくれる選手だと思います。