久保康友の「人生の方で運を使いたいので」問題

6月30日 甲子園球場(ビジター)

De3-0阪神

勝利投手 久保康(4勝4敗0S)

本塁打 宮崎 7号(4回表ソロ)

73試合 34勝 38敗 3分 首位と9.5ゲーム差 3位

 勝ちました。久保投手さまさまです。危なげなく古巣阪神に3安打完封。不安を感じさせることがなく、勝っちゃうのって久しぶりですね。これぞベテランっていう感じです。素晴らしい。

 やっぱり、野球って投手の力が大きいなと思います。この試合は、多くの阪神ファンに囲まれた試合ではありましたが、試合の流れを全て久保が手中に収めて、コロコロ転がしてる感じがありました。阪神ファンが久保に対して優しいっていう面もあったかもしれませんが。

 試合後半は「もう打たなくていいよ。俺が抑えるから」と言わんばかりの雰囲気がありましたね。言ったかどうかわかりませんが、言いそうな選手です。

 今日の試合は5回まで完全投球。昨年5月も6回まで完全投球だった試合がありました。その日のお立ち台で久保投手は「野球では運を使いたくない。人生の方で運を使いたい」というコメントを残していました。

 このコメントは久保投手の人間性が集約されていると思います。どんなときにもマイペース。自分のペースを崩さない。

 ピッチャーは打たれたときもポーカーフェイスであれ。という標語的な言葉をよく聞きます。試合といっても一つの戦いですので、表情でも相手に弱みを見せないようにするというのは、なんか正しい気がします。

 でも、昔はたまにいましたよね。打たれたらすぐに悔しそうな顔をする力投派的なピッチャー。そういう選手の方が応援したくなっちゃうし、同じチームの選手も、「この投手を勝たせてあげよう」って思うんじゃないかと。技巧派のコントロールピッチャーですけど、ベイスターズの三浦投手は、このタイプですよね。

 この力投派と技巧派、どっちがいいのかというと、抑えてくれればどっちでもいいのだろうと思いますけど。ただ気になったのは、技巧派ベテランの久保投手はチームの中で、どういう位置にいるのかな。っていうこと。後輩たちと飲みに行ったりするのかな。三浦投手は自分の経験を後輩に教えていそうですど、久保投手はどうなんだろうなあ。ただただ、マイペースを貫くんじゃなくて、過去にロッテ、阪神と渡り歩いた経験を若い投手に伝えてほしいなと。引っ張ってほしいなと。実際、どうなのか知りませんが、今日の試合を見ていて、そんなことを思いました。