池田純球団社長退任と横浜スタジアム座席増設問題

 シーズン終了直後、横浜DeNAベイスターズに大きな動きが2点ほど見られました。1点はヨスラン・エレラ、マイク・ブロードウェイ、ジェイミー・ロマックの3選手、戦力外通告です。エレラ投手は故障、ブロードウェイ投手はスピードがあってもクイックが投げられない。ロマック選手は来季以降、期待ができないわけではないですが、結果が結果でしたので、3人とも選手枠を考えたら妥当な結果だと思います。今後の活躍をお祈り申し上げます。

 

 もう一点が池田純社長の退任です。私自身、しばらく傍から見てたのですが、ベイスターズファンに本格的に戻ってきたのは彼がきっかけでした。スーパーカートリオを小学生のときに見た人が球団社長になる。期待ができないわけがない。それが理由です。お伝えしずらい部分もありますが、スタジアムの前まで来たときのわくわく感、それは勝ち負けはおいておいて、3人の盗塁が見たかった楽しみを知っていた人なら、信用していいだろうと。

 

 球団社長は直接的にチーム選手構成に関わるわけではありませんが(噂ではガンガン口を出していたらしいですけど)、経営面では5年で黒字にまで持っていったというのは賞賛に値するものだと思います。選手構成という意味では球団社長、就任直後に高田繁さんへGMの要請を出していましたね。

 

 ほかにも、ビールの製造販売やグリエル選手獲得、横浜スタジアムTOB成功など、この5年で数々の大仕事を成し遂げています。また、返金チケットなどの新規企画に関しても、風通しの良い球団組織を作り上げたということで、運営力を発揮しています。企画に関しては良し悪しありましたけど、球団経営を知らない者の強みというのもあったのではないでしょうか。びっくりするような内容のものが多かったですね。極め付けは三浦投手の引退プロモーションです。10月17日付『ベースボールチャンネル』によるとメッセージを送ってくれた矢沢永吉さんには数年前からオファーをかけていたというではないですか。仕事が早いわ。

 

 この、「なんでもやってやろう精神」みたいなのって、カウンターカルチャーのようだなあと私は思うのですけど、やっぱりプロ野球って巨人と阪神ソフトバンクなんかがお金にしろ選手にしろ、ファンの数にしろ、力を持っている。そこに従来型のプロ野球運営とファンのあり方というのが一つ存在しているとして、その世界観に新しい風を送り込むという仕事をDeNAはやろうとしてるんじゃないか、と勝手に私は解釈しているのです。もちろん、それはファンも含めてなんですけど。その下地作りを池田社長はやり遂げたのかなあと。ちょっと持ち上げすぎたかな。

 

 で、新社長の岡村さんはデイリースポーツの記事だと早速、横浜スタジアムの改修について言及してますね。

 

 この問題は横浜ベイスターズ時代からの長年の課題です。放映権料の取れない時代になって、球団の収入源の大きな割合を占めるのがチケット代です。今季の座席稼働率は93.3%。座席増設は必要不可欠です。球場自体も他と比べると狭いので拡張も考えなければならないでしょう。

 

 とはいえ、横浜スタジアムはバックネット裏からレフト・ライト方向に向けて、ぎりぎりのところで設置されている球場なので、簡単にできることではないですね。建蔽率もぎりぎり。スタジアムの運営会社を買収したものの、その敷地となっている横浜公園横浜市が所有しています。

 

 TOB成功後に大規模改修案として示された画像がありましたが、あれ、見た感じ中華街側の道路をぶっ壊してますものね。そうなると、今度は国交省に掛け合わないといけない。あの画像はあくまで理想ということなんで、その通りになるとは限りませんけども、ただ、大規模改修はかなりの大仕事で難仕事となるのは間違いないでしょう。

 

 個人的にはですね。私、膝が悪いので、あの急な階段は直してほしいなあ。でも、すり鉢状の球場っていうのも雰囲気的には捨てがたいところもある。あと、屋内練習場を広めに作ってあげることはできないかなあ。

 

 横浜ドーム構想ってのもあるらしいですけど、どうなんでしょうね。横浜スタジアムの使用契約は2018年までなので、それまでにはなんか決まるんでしょうね。最後、投げやりになっちゃった。とにかく、岡村社長には今の球団の雰囲気を壊さずに、じっくりと球場改修に取り組んでほしいです。