ベイスターズとカープが似ているのは球団経営の問題?

 ちょっと前になんjだったか、どこかのネットで広島カープのファンの方が「ベイスターズカープの猿真似だ」といったコメントがあったのを見つけました。このブログでも広島ファンの方から、「ベイスターズはFAでいい選手を取られてしまったりと、カープと環境が似ているので、好きな球団の一つです」というニュアンスのコメントをいただいたことがありました。

 そう言われてみると似ているちゃあ似ている。長年下位に甘んじてしまっていたり、若い選手や女性ファンが多かったり、球場イベントやグッズに力を入れているということなども類似性を示しています。

 ”マネ”をしているというより、”時代”によるものといった方がいいのかなあと私は思います。カープベイスターズ以外でもパリーグチームにもそういった面が見られます。

 プロ野球の時代の節目となったのは球界再編問題です。プロ野球人気が落ち目になり、テレビの放映権料が激減し、どの球団も経営が悪化していきます。2005年には近鉄球団がなくなり、東北楽天イーグルスが誕生しました。ところが、どの球団も赤字が当たり前なのに、楽天は初年度から黒字を達成しました。

 楽天はプロサッカーチームを持っていた経験からスタジアムとの一体化経営を確立しようとしていました。日本の球場は一般的に行政か第三セクターによる運営がほとんど。そこで楽天は、老朽化していた宮城県営球場を改装する際に「年間使用料5000万円払うから、設計も運営もウチらでやらせろ」と脅した? 要求した? まあ、そういうわけです。

 球場というと、広島カープの場合は2009年マツダスタジアムの新球場移転が大きな転換期となりました。砂被り席など数々の特徴のあるシートを設置。開場すると、動員が急増します。さらに関東地方では”カープ女子”が流行。カープ人気に拍車がかかりました。

 カープ女子の発生はグッズのかわいさや若い選手が多いことが理由としてあげられます。また、子どものころからカープファンの広島出身の女性が上京して、球場観戦に勤しんでいた方もいらっしゃるでしょう。グッズ販売に関しては、収入が激減していた球界再編期に、グッズ販売にシフトしたそうですね。

 で、ベイスターズはというと、球界再編問題期以降。チームは弱いわ、客が来ないはそれはそれはひどい状況でした。カープが新球場を作った次の年、2010年にはTBSが住生活グループとの間でチームの売却交渉を進めましたが破談。2011年にDeNAが買い取り、横浜DeNAベイスターズが誕生しました。

 住生活グループが買い取ろうとしたときも、球場の契約条件がネックになっていたそうですね。DeNAは地道な経営努力の結果、今年、横浜スタジアムを買収しました。カープの場合は球場老朽化、ベイスターズの場合は新規のオーナー企業(DeNA)参入が球団経営の転換期となったわけです。なので、簡易的に文書化すると「ベイスターズの方はカープに2年遅れている」っていうことになるのかと思います。

 楽天もそうだったと思いますが、カープベイスターズもメジャーを参考にしているところがありますね。ベイスターズの場合は池田元社長が、「メジャーリーグはビールがうまかったから、ビールを1から作ろう」って言って、「ベイスターズエール」というビールを作りましたしね。楽天の観覧車、カープの座席のボールパーク化のアイデアの一つですね。

 アイデアって似てしまうと、冷めてしまう。独自性を打ち出していかないと恒久的な経営はできないのではないかと思います。横浜は人口は多いですが、東京の衛星都市。地元密着はほかの地域より難しい面があります。池田元社長は「ネットの巨人を目指す」と話していましたが、そういった強みを探していくことがベイスターズの球団としての課題なのかなという気がします。