井納翔一の感情コントロール問題

9月6日 横浜スタジアム(ホーム)

De6-1ヤクルト

勝利投手 井納(7勝10敗0S)

128試合 60勝 65敗 3分 3位 

2位と4ゲーム差 4位と3ゲーム差

 今日の井納投手完投勝利は大きいですね。CSに一歩前進しました。とはいっても、本日の試合は相手先発投手の由規の自滅でしたけどね。ストライクが入らなくて、やっと入ったと思ったら真ん中に入ってくる。けん制入れたら暴投。ベイスターズとしたら、何もしないで勝ったようなものです。と同時に、数年前のベイスターズはこういう負け方が多かったなあと思い出してしまいます。

 ベイスターズの先発、井納投手も立ち上がりはあまりよくありませんでした。ストライクとボール球がはっきり分かれてましたね。しかし、3回裏に3点目が入った後、コントロールが定まってきました。4回裏に自身が2ベース(ほぼバレンティンのエラー)を放った後は、投球リズムが急によくなっていきましたね。感情がピッチングに反映されやすいのでしょうか。

 いいときの井納投手は投球間隔が短く、相手に考えさせる暇を与えないくらいのテンポでポンポン放っていきます。基本、150近いストレートとカーブ、スライダー、フォークで組み立てていくのですが、コントロールさえしっかりしていれば簡単に打てる投手ではありません。本日の試合でも140球もの球数を放っているにもかかわらず、9回に球速147を叩きだしていましたからね。

 しかし、ここ1か月の間は勝利がなく、早い回で崩れてしまっていました。その悔しさからか、本日、完投勝利を決めた後は一筋の涙をこぼしていましたね。ファン心理としては、「イノウがクロウした後の勝利」として美談的に語られやすい。ですけど、私が見たところ、井納投手が今一歩、勝ちきれないところはこの点にあるのかなあと思ってしまいます。

 要するに、感情的になるとピッチャーって崩れやすいわけですよ。試合で投げていないところでもそう。ちょっとしたコメントが相手チームを煽ってしまうことになるし、マスコミ相手に弱さを見せたらどこかでつけ込まれてしまう。

 実際に先発投手が崩れやすいのは初回、勝利投手の権利を得ることのできる5回、自分がその日仕事をしたかどうか判断がつきやすい6回7回。全て感情に関わってきますね。感情のバランスが崩れるとコントロールも悪くなるし、思ったようなボールも投げられなくなる。

 現在のベイスターズとしては、山口俊・石田・今永に続く”勝てる投手”が必要不可欠。ラミレス監督も「CSに行くキーマンは井納」と断言していました。

 上記の表ローテ3人はランナーを出そうが、どうなろうが、結構、淡々と投げてますね。あまり状況に左右されない。常人がビクビクしてしまいそうな場面でも、顔は闘う表情を崩さない。顔は相手打者に見えてしまいますからね。不安そうに投げてる投手って、なんか打たれそうな気がしてくるじゃないですか。3人はどんな場面でも不安そうな表情を浮かべることがありません。山口俊投手は打たれた後によく「やっちまった」顔をしますけどね。

 井納投手が不安そうな表情を出しているかというと、そんなことはないんですけども。ただ、悪いときといいときの差が激しかったり、崩れだしたら止まらないっていうのは、どこか感情が一定してないからなんじゃないかなあと思うのです。

 ある種、素人の妄想的な意見ではありますが、なんとなく、井納投手が一皮むけなければならない部分って、意外とこういうところにあるんじゃないかと私個人は思っています。せっかく、何を考えているかわからないような宇宙人顔をしているのだから、その特徴を生かせばいいのにって。いや、いい意味でですよ。いい意味で。