山口俊、FA退団問題

11月30日、山口俊が退団を発表

 ついに来ちゃいましたね。残ってほしかったんですけどね。巨人と中日の2球団、どちらかになりそうということなので、来季はベイスターズと当たることになりそうですね。ベイファンのスタンドからのブーイングはすごいんだろうなあ。

 ここであえて、これまでの山口投手を振り返ってみましょう。高卒1年目に1軍昇格されるも、当時は今よりもコントロールの悪さが目立っていて、あまり活躍できず。力をつけていき、3年目からは中継ぎ、4年目でクローザーの任につきました。コントロール以上にストレートの威力が素晴らしかったですね。ただ、クローザー時代は変化球のコントロール、質があまりよくなかったイメージがあります。当時、TVKで解説をしていた斎藤明夫さんが「山口はストレートだけ投げてりゃいいんですよ」となんとも雑な意見を披露していた記憶があります。(前のエントリーでも言ったことがあるかも)

 クローザー時代はストレート一辺倒だったということに加え、チーム状態も暗黒期だったということもあり、1発に泣かされることが多かったように思えます。2011年の巨人・長野による代打サヨナラ満塁ホームランは印象的でしたね。ベイスターズファンにとっては、悪い意味で忘れられないホームランでした。

 2014年に先発転向。変化球に磨きがかかり、スタミナもあることから少しずつ勝てるようになっていきました。2016年は規定に達していませんが、11勝5敗、2.86。特筆すべきは5完投、3完封です。貴重なイニングを食える先発投手に成長してくれました。

 今年、ベイスターズが3位に入れたのは筒香選手と山口俊投手の力によるものが大きかったように思えます。規定に達していないとはいえ、山口投手のスタミナはブルペン陣を助けていました。ケガさえなければ、あと2つくらいは勝てたように思えます。

 チーム状態がよくなりつつあるところで、「何で、今、チームを離れるの?」と山口投手に言いたくなるファンも多いでしょう。しかし、山口投手からしてみると、今年が一番の売り時とも言えます。

 パリーグファンからしてみると、あまり印象がなかったという風に思われる方も多いでしょうが、セリーグファンは山口投手にやられたという印象を持っている人が少なからずいると思います。5完投、3完封できる投手って、大谷投手とか菅野投手とか、それくらいのレベルで、今のプロ野球では、数えるほどしかいないんじゃないですかね。

 プロ野球選手って長くて20年。将来、コーチや解説者になるような人であれば、経験が大きな財産になる。選手よりそれより先の方が長い。

 と考えると、FAでチームを離れる気持ちもわからんでもないなあ。今年2人目の子供もできたっていうし、お金に揺れたということもあるでしょう。

 ここで三浦大輔投手の存在を引き合いに出してみます。三浦投手は2008年にFA宣言し、阪神が獲得に動くも残留しました。三浦投手の場合はその前に優勝を経験。最優秀防御率最多奪三振のタイトルを2005年に獲得しています。

 山口投手はストッパー時代も含めて、無冠なんですよね。いい投手なのだけど、世間的には名前が売れてないのです。

 なんか、穢れた大人っぽい話になってしまってますけど、三浦投手の場合はFA前の段階で有名人。山口投手はそれほど知られていない。この差が大きかったように思えます。

 関係ないですけどキヨハラという名前の人も無冠(ベストナインとか最高出塁率とかはとってるけど)でFA移籍が多かったですね。

 山口投手にはキヨハラみたいにならないように頑張ってほしいと思いつつも、ベイスターズとしては、山口投手を打ち崩せるように頑張ってほしいなと思います。

 あと、内部情報、漏らさないでね。