”雨のイマナガ”問題

9月13日 神宮球場(ビジター)

De11-3ヤクルト

勝利投手 今永(7勝8敗0S)

本塁打(Deのみ) 桑原 10号(3回表ソロ) 、エリアン 4号(5回表3ラン) 、ロペス 27号(6回表ソロ) 、筒香 40号(7回表3ラン)

133試合 63勝 67敗 3分 3位 

2位と5ゲーム差 4位と4.5ゲーム差

 雨降ったけど勝ちました。正直、梶谷・宮崎両選手が抜けたこのスタメンで勝てるとは思いませんでした。梶谷選手の肩負傷は報道にありましたが、宮崎選手はどうしたんでしょうね。っていうか、何で勝てたのか不思議なくらいです。

 試合を振り返ってみましょう。先発は今永投手でした。雨が降ったりやんだりと悪天候の中で粘り強いピッチングを見せてくれました。”雨のナカジマ”ではなく”雨のイマナガ”ですね(古いか。元ネタわからない人は検索)。前回の登板は雨によるスライド登板。その前も雨の中でQSを決めてくれています。その今永投手に贈った打撃陣のプレゼントが2回の倉本選手タイムリーと3回の桑原選手のソロ本塁打でした。雨の試合はいつ、試合が終わってしまうかわからないので、先制点を取った方が優位です。

 しかし、4回裏に雨脚が強くなります。そこで今永投手は先頭の川端選手を四球に出し、次の山田選手を打ち取るものの、その次のバレンティン選手に2ラン本塁打を打たれてしまいます。これで同点ですが、逆に塁を掃除してもらった方がかえって投げやすくなったのではないでしょうか。雨の試合は、四球や連打などで総崩れしてしまうのが一番怖いです。

 さらに雨脚が強くなった5回表。2アウトから、桑原選手が内野安打、荒波選手が死球でランナー1,2塁。相手先発のライアン小川投手は、マウンドに土を盛ってもらうように審判に頼みました。3番に入ったエリアン選手は直後に3ラン本塁打を放ちます。これで52。今永投手の安定感から見ると、ここで試合を決したといってもいいでしょう。その後、ロペス・筒香選手の本塁打などで大差で勝つことができました。

 試合後のヒロインでは今永投手は「雨と勝負しないように、ヤクルト打線と勝負しました」とコメント。また、「とにかく、足元を気にしたり、顔をしかめたりしないようにしました。でも、出ちゃっていた部分もあったので、次は淡々と投げられるようにしたい」と話していました。ルーキーらしからぬコメントですね。試合結果だけを見ると一発攻勢で勝ち切ったように思われがちですが、本日の勝利は今永投手の粘り勝ちです。悪天候のときは、投手がちょっとでも崩れると、大量失点につながりやすい。4回裏で同点になったバレンティン選手の2ランは傷が浅かった。

 また、今永投手は「終盤の緊迫した場面でホームランを打たれないように気を付けた。結果的にバレンティン選手にはホームランを打たれてしまいましたけど、結果的には、あれは打たれてもいいホームランだったので、そのあとしっかりと切り替えて抑えられたのが良かったなと思います」とも話していました。

 ”結果的に”という言葉を強調したうえで「バレンティン選手のホームランは打たれてもよいもの」と感想を残しています。試合展開上、雨脚の強い中で勝負して打たれたものですし、逃げて四球を続けてしまって崩れるよりはマシ。むしろ本塁打にしてくれて助かった。私はそのように受け取りましたし、ルーキーにしては大人っぽい考え方だなあと感心してしまいます。

 ですが、これって新聞の記事になったりするわけじゃないですか。ああいうのって「あれは打たれてもいい」だけを抜かれちゃうんですよね。新聞記事やテレビ報道って文字数や尺が決められているんで、少しでも言葉を凝縮して、人に伝えている訳です。だから、バレンティン選手のホームランに関しては、インタビューでまともに答える必要はないというか、ピッチング同様うまくかわしてほしいですね。

 結局、”試合”って野球に限らずだまし合いをしている部分もあるわけでしょ。マスコミに伝われば、ファンにも相手選手にも伝わるわけですから、本心を全部言う必要はないんじゃないかと思うんです。

 まあ、別にいいんですけどね。今永投手のコメントが本心なのかどうかって本人しかわからないことだし。っつうか、ルーキーにしては十分すぎるくらいしっかりしてる。将来楽しみなピッチャーですね。もっといろんなことを吸収してもらいたいなあ。