残った伏兵が伏線を拾う? 石田健大と戸柱恭孝問題

 対阪神戦1勝1敗。ここをなんとか勝ち越したいですね。

 【2019年7月4阪神戦】 

 先発は大貫投手。前回登板がワンアウトも取れずに降板してますんでね。あの試合はトラウマになっていると思うんです。本日の試合も抜け球が多く、ボール先行になることも多かった。荒れた試合になりそうだったのですが、フルカウントになってからの開き直りというか、大事な場面でストレートをズバンと決めることができた。ピッチング自体はよくはなかったですが、次につなげることができた試合だったのではないでしょうか。

 相手先発もこれまた、あまり調子のよくないメッセンジャー投手。ベイスターズさんは長いこと苦手にしてますんでね。高めに入るボールが多かったのですが捉えきれなかった。中盤5回までで3-2の1点リードで両投手ともに降板します。

 前日、前々日と両チームともにリリーフを多く送り込んでいます。しかも、9連戦ですよ。これは考えどころ。

 そんなときに、ベイスターズさんには救世主が現れました。石田投手です。前日の試合では6人のリリーフ投手を登板させていますが、石田投手は投げていません。本日は3イニング起用。ほぼ完ぺきな内容でした。翌日以降の連戦を考えると、チームとして非常に助かるピッチングだったと思います。

 石田投手、リリーフとしていい働きをしていますね。今、左の三嶋投手のような立ち位置にいます。立場上、三嶋投手は登板過多になりがちなんですが、ここをフォローする役割を担っています。先発の返り咲きもあり得るような話をラミレス監督がしていましたが、ロングで投げた本日のピッチングはその伏線を張っているようにも見えました。

 回跨ぎの投手がいいと、流れがやってきます。打線では戸柱選手と中井選手が追いすがる阪神さんを突き放す本塁打を放ちました。特に戸柱選手の本塁打は大きかったですね。石田投手の調子がよくて、2点差から3点差のリードになった。勝パも温存している。これはチームとしても楽になったと思います。

 戸柱選手は前日にケガをした伊藤光選手の代わりに出場したと言っても差し支えないと思います。本日の試合では、後ろにボールを逸らしたり、クロスプレーでしっかりボールを掴めなかったり、また、コントロール難だった大貫投手のリードと、いろいろ頭を悩ませたり、苦しい場面もありました。あの本塁打はピッチャーの代わりっぱなの初球でしたね。心理的に開き直りがあったのかもしれません。素晴らしい決断のナイスバッティングでした。

 表題では「伏兵」と名付けてしまいましたが、石田投手も戸柱選手も2年前までは大事な主力選手。今は表舞台というより、主役級に何かあったら、フォローする立場になっています。特に本日は、前日の延長戦に出場していません。ある意味、温存された「残った伏兵」。前日の試合は2人が活躍するための「前振り」だったのかもしれません。とにかく、こういう選手たちが活躍するとうれしいですね。

 優勝するときはヒーローが入れ替わるとよく聞きます。そういう土壌が今年のベイスターズさんにできはじめたと信じたいです。

 

7月4日 横浜スタジアム(ホーム)

De7-2阪神

勝利投手 大貫 (4勝3敗0S)

本塁打 ソト25号(5回裏ソロ)、戸柱1号(6回裏ソロ)、中井2号(8回裏2ラン)※Deのみ