井納翔一の中継ぎ構想問題

 先日、こんな記事がアップされてましたね。

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ウィーランドは当然だが、井納に関しては2通り考えている。今キャンプは先発で調整しているが、若手の右投手が出てくれば彼を後ろにもっていくつもり。彼には七回を任せられる」

「井納が後ろに来れば、七、八、九回と最強の形が作れる。井納、パットン、山崎康は球速150キロ以上を投げられ、相手に与える恐怖感は相当なもの。エスコバーも150キロ出るし、砂田もいる。ロングリリーフでは三嶋も使える。はまれば最強のメンバーだ」

 中継ぎを主として考えればラミレス監督の言う通り、”最強の形”が作れるでしょう。

 井納投手は昨季日本シリーズの第三戦で中継ぎ登板を果たしているので、リリーフの適正はあると思います。

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 この話を聞いたとき、うろ覚えではあるのですが、元横浜・斉藤隆投手が「先発で投げていると途中でぼーっとしてしまうことがある」と話していたのを思い出しました。(出典元にたどり着けなくて申し訳ないです)

 昨季の井納投手は先発でも6回途中くらいで急に崩れることがあって、もしかしたらそんな病気(?)にかかったのかなあと思いました。

 想像の上での話なんですけど、先発で登板したときとリリーフで登板したときの集中力の持続の仕方って全く違うと思うのです。リリーフは多分、首脳陣から「1イニング任せた」とか「1人だけアウトにしてこい」とかあらかじめ、話があるんじゃないですかね。そうなると明確な目標に向かっていけばいい。

 ところが、先発は「いけるところまでいけ」とかざっくりとした指示しかないはずなんです。「試合を作る」とか大枠の目標はあると思うんですけどね。

 適正って投手の性格によるものなんじゃないでしょうか。多分ですけど、井納投手のリリーフは適正ありそうな気がします。表情に出やすい投手なので、1人1人に集中した方がベストパフォーマンスを発揮してくれそうな気がします。ってことは、この構想はアリなんじゃないでしょうか。

 ただ、ですよ。監督って全体像を描く仕事じゃないですか。先発とリリーフのバランスを鑑みると、どうなのか。一旦、復習してみましょう。

 先発は基本6人でローテを回します。ベイスターズではウィーランド、今永、石田、濱口の4投手は計算できますね。ルーキーの東投手が食い込んでくれば5人。井納投手がリリーフに回った場合は残り1枠空いてますね。若手の飯塚、綾部、平良、熊原投手、そして、昨季2軍でローテを守った京山投手あたりが上がってきたら面白いですね。外国人ではバリオス投手もその座を狙っています。

 リリーフ陣は8,9回にパットン投手とヤマヤス投手。6,7回には右の三上、須田、加賀の3投手、藤岡投手もいますね。左はエスコバー、砂田、タナケンの3投手。駒はそろっています。ただし、昨季はこのあたりの投手が疲れがたまっていたのかうまく機能しなかった。

 井納投手は完投能力もあるんですよね。先発でしっかり働いてもらい、ちょくちょく完投してくれれば、リリーフ陣も休める。でも、前出の若手先発陣が勝ち切れる力を持てるようになれば、井納投手がリリーフに異動しても回せる。

 ラミレス監督の井納投手中継ぎ構想って、暗に、若手先発陣の奮起を促すと同時に、三上、須田投手あたりの中堅リリーフ陣にハッパをかけるようなことをしたかったんじゃないかなと思います。同時に井納投手を発奮させることにもなる。一石二鳥にも三鳥にもなるコメントだったんじゃないですかね。さすが、マネジメント能力に長けてらっしゃる。

 まあ、でも、シーズンに入ったら、誰が調子悪い、誰がケガしたとかいろいろあるんで、臨機応変にやることになるのでしょう。

 現在、ベイスターズの編成部(スカウト?)にいる欠端光則さんも大洋時代は先発、中継ぎ、フル回転をしていました。時代は違いますけど、井納投手ってそういうことのできるタフな選手なんじゃないですかね。

 ホントは、井納投手には先発完投をバンバンしてもらって、リリーフ陣を助けてもらうのがベストのような気がするんですけど。