宮崎敏郎と田中浩康の”やきう力”問題

6月9日 メットライフドーム(ビジター)

De4-3西武

勝利投手 パットン (3勝2敗7S)

セーブ 山崎康 (1勝1敗7S)

本塁打 田中浩1号(2回表2ラン)、宮崎4号(9回表2ラン)

 

 本日、観戦したベイスターズファンの皆さん、よかったですね。スポーツニュースで映ったレフトスタンドの悦びっぷりが22v型テレビの画面を通して、私の元まで伝わってきました。年間通しても稀に見る好ゲームだったのではないでしょうか。

 

 先発投手は井納投手と菊池雄星投手。投手戦は予想されましたが、両投手ともにストレートと変化球を織り交ぜた素晴らしい投球でした。1球、1振りが勝負を分けるこの試合。ベイスターズは浩康さんとトシローくんがやってくれました。

 

 浩康さんの1打は2回表の出来事でした。1死で嶺井選手が粘った上でセンター前ヒットの出塁。直後に甘く入った初球を狙い撃ちしてレフトスタンドへ白球を運びました。

 

 7回に逆転されましたが、9回表、先頭の筒香選手が四球で出塁。宮崎選手は西武の抑え・増田投手の外のキレのあるボールをファールで粘ってからの9球目。甘く入ったストレートをレフトスタンドへ持っていきました。

 

 今季開幕2戦目で、私は「浩康さんの味がじわじわと効いてきますよ」 と書きました。5月25日のハマスタ初ヒロインの日には

ベイスターズの内野陣は取ってからの送球が早くなりました」と書きました。今回、この”浩康さんメモ”の一つとして、「ベイスターズ打撃陣が”粘っていればそのうち、甘い球がやってくる”ということを覚えました」を付け加えたいと思います。

 

 本日の宮崎トシロー選手の一打が5月25日の浩康さんの一打と重なって見えたのは私だけでしょうか。”粘っていればそのうち、甘い球がやってくる”というのは野球セオリーの一つですが、実践できるプロの選手はほんの僅かだと思います。ポイントを前にすることも後ろにすることもできて、インコースをしっかり肘を畳んで強く打てる、優れたバットコントロールの技術を持ち合わせた選手しかできないことなのではないかと思います。

 

 ベイスターズの選手だと、桑原選手はポイントが前。梶谷選手はポイントが後ろ。筒香選手には甘い球を投げてこない。浩康さんと宮崎トシロー選手以外では、戸柱選手や倉本選手あたりがこの技術を会得してほしいですね。そういえば、ソフトバンク戦で戸柱選手が千賀投手相手にこの技術を実践してくれていました。

 

 ”粘っていればそのうち、甘い球がやってくる”。これを逃さないようにするのは、”技術”だけの問題ではないような気がします。1球を逃さない集中力も必要ですよね。

 

 試合展開と相手投手の調子も含めて考えて、「ここでの1打が試合を制する」ことを知っている。集中力。才能。野球脳。全部合わせたものを私は今、”やきう力”と名付けることにしました。

 

 浩康さんの”やきう力”はトシローくんに受け継がれつつあります。そして天才・宮崎選手が他チームから見つかりつつあります。見つかってほしくないなあ。ベイスターズファンとしては、筒香選手をしっかりマークしていただいて、天才・宮崎選手にチャンスを回してほしいなあと思う次第なのであります。