山口俊のエースへの道問題

9月10日 ナゴヤドーム(ビジター)

De1-0中日

勝利投手  山口(11勝5敗0S)

セーブ 山崎康(2勝5敗29S)

本塁打  ロペス 25号(3回表ソロ)

131試合 62勝 66敗 3分 3位 

2位と4.5ゲーム差 4位と3.5ゲーム差

 勝ちました。1-0です。ロペス選手の本塁打だけで勝てました。昨季ではありえなかった勝ち方ですね。と同時に、ベイスターズでは山口投手でないとありえない勝ち方です。ストレートとカーブとスライダー、そしてフォークとうまく組み合わせつつ、低めにボールを集めたナイスピッチングでしたね。

 安定感が増したというか、「ああ、今日は山口だから勝ったな」と思わせるほどになってきました。これまで、急にコントロールが荒れることが多々ありましたが、もう大丈夫じゃないですかね。ヒロインなんかも、落ち着いて受け答えるようになりましたしね。エースっぽくなってきましたね。

 大洋時代からのファンである私の中のエースは三浦大輔投手ではなく、斎藤隆投手でもなく、野村弘樹投手でもなく、やっぱり遠藤一彦投手ですね。遠藤一彦投手は伝家の宝刀フォークボールで通算134勝、58セーブをあげた大投手です。まあ、アキレス腱断裂もあって、記録はそれほど伸びませんでしたが、ケガさえなければ名球会に入ってもおかしくはないほどの投手でした。

 なぜ、ここで遠藤投手の名前をあげたかというと、どちらも先発と抑えを両方経験しているということと、ストレートとフォークが生命線の投手ということ。あと、相手打者を打ち取った後に堂々とベンチに下がっていくところがちょっと似てきたような気がするんですよね。遠藤投手は足が長く、スタイルがとてもよくて格好よかったので、容姿は似ても似つかないのですけどね。でも、マウンドでの堂々とした姿はちょっと重ねてしまいますね。

 この2人は「打てるものなら打ってみろ」ではないんです。「打ち取って当たり前」なんですよね。

 そういうボールを放れる投手ってなかなかいないし、放れる力があっても途中で潰れてしまった投手はたくさんいるわけですよ。また、経験を重ねたからこそ「打ち取って当たり前」なピッチングを披露することができるんでしょうね。

 

 それと”安定感”ってある種、仕事における”信用”と似ていると思うんですよね。本当のエースって「ああ、今日は○○だから勝ったな」を何年も続けられる投手のことを指すのだと思うのです。

 山口投手はまだ29歳ですよ。あと10年は働けるはず。本日のようなピッチングを続けてほしいと思います。