ロペスのサヨナラホームランが「超きもちいい」問題

7月12日 横浜スタジアム(ホーム)

De6×-5中日

勝利投手 山崎康(2勝2敗20S)

本塁打  白崎 3号(4回裏ソロ) 、筒香 21号(5回裏2ラン) 、筒香 22号(7回裏ソロ) 、ロペス 17号(9回裏ソロ)

86試合 39勝 44敗 3分 首位と12.5ゲーム差 3位

 昨年、12連敗がストップした東京ドームの巨人戦を観戦した私が、今日、観戦してきましたよ。ええ。そうです。私がビシっと連敗を止めてみましたよ。と、調子に乗った書き出しをしてしまって恐縮です。ただ、そんなことを言いたくなるくらい”超気持ちよかった”試合でした。見に行って本当によかった。昨年の巨人戦は立ち見で、試合自体がよく見えなくて倉本のタイムリーも筒香の本塁打もよく見えませんでしたが、今日は見どころたくさん。ライトスタンドで全てを堪能してまいりました。

 とりあえず、今日は言いたいことがたくさんあるので、箇条書きにしました。

■熊原健人のコントロール問題

 中継ぎからファーム調整を経て、今季初先発の熊原。独特の投球フォーム、そして実家が神社であることから”神主投法”と名付けられてますが、6回4失点、6四球と微妙な成績でした。初回は桑原のエラー気味の捕球があったとはいえ、四球でランナーを2人出しています。見た感じ、フォームが固まってないように思えます。そのため、コントロールがままならない。ストレートに力があって、緩急でなんとか要所を抑えてましたが、まだちょっと不安です。私見ですが、今季はファームでフォーム固めをしてもらって、来季以降に期待したいです。将来のエース候補なので、大事に育ててもらいたいです。

■もしもの宮崎。白崎&石川の内野レギュラー争い問題

 初回、宮崎敏郎が死球で退場しました。現地観戦しながらニコ生で確認したのですが、右ひざ付近だったので心配しましたが、ニュースによると打撲ということなので、一安心です。オールスター明けには帰ってきてくれるでしょう。

 もし、宮崎に何かあったら。ということで本日控えの内野手で起用されたのが白崎と石川です。相手先発投手が左の大野ということで、代走に起用されたのは白崎でした。最初の打席は4回。2対0のビハインドの場面でソロ本塁打を放ってくれました。本日の勝利はこの1打が実に大きかった。ランナーがいないところでしか本塁打が出ないと揶揄されがちの白崎選手ですが、ズルズルといきそうな悪い流れをこの1本で取り戻してくれました。

 石川は5対5で同点の9回、先頭打者の代打として登場。初球を狙ったのはいいものの、引っかけてセカンドゴロになってしまいました。石川の持ち味は流し打ちなので、もうちょっと、我慢してほしかったですね。我慢っていうか、スイングの溜めですかね。ほんの一瞬だけ、溜めを作ればセンター前に抜ける打球でした。

 今日のところは白崎選手に分がありましたね。でも、まだ宮崎選手からレギュラーを奪い取るところまではいきません。これまでの宮崎の貢献は多大なものがあります。本当は宮崎サード、エリアンセカンドってのができればいいんだけどなあ。エリアンサードはちょっと不安。

ベイスターズ、中継ぎ起用問題

 これまでラミレス監督はなるべく連投を避け、中継ぎのローテーションを守ってきたような気がします。98年の権藤采配を想起させますね。しかし、本日はオールスター休みが近いということで、思い切った小刻みな継投でした。

 加賀繁は踏ん張りましたね。プロ7年、31歳。首の皮一枚つながった感じでしょうか。個人的には次のピッチングも見たいです。今日はタナケン、ザガースキーがちょい打たれてしまいましたが、疲れがたまっているのでしょうか。ピンチの場面の須田幸太、ビハインド専用機の小杉も含めてまだまだ働いてもらわなければなりません。人間って、決まった役割を与えられた方が力を発揮しやすいようにできているのだと思います。やる気が出ますよね。「ここは俺の場面だ」っていうのがわかれば、ブルペンでの準備もしやすいじゃないですか。シーズン通して、この起用法は変えずにいってもらいたいです。

■倉本寿彦が内野の要になっちゃった問題

 ピンチになった際、内野手の誰がいの一番に投手へ声を掛けに行くのか。これが見られるのは観戦時の醍醐味です。今季前半戦はロペスの回数が多かったように思えますが、今日は倉本がよく声をかけてました。今の内野手でいうと、ロペスは負傷明けでまだペースに乗り切れてない。エリアンはシーズン途中で入団。白崎は最近やっと1軍に戻ってきた。石川はベンチ。となると、ほぼ全試合出場している倉本ってことになるんだなあ。ちょっと、「へえ、そうなんだ」と感心したシーンでした。チームを引っ張っていく選手になってほしいですね。

梶谷隆幸の、オープンスタンスになってからスイングがやる気ある問題

 負けが重なっていたので、いつ言おうかと思ってたのですが、勝ったついでに今言います。梶谷っていつの間にか、オープンスタンスに戻してる。で、それから調子がよくなってますね。

 オープンスタンスって、体が投手側に向いているので、ボールを見やすいんですよね。でも、スイングするとき、斜めに足を戻さなければならないので、無駄な動きが出てしまう。

 そこ話がちょっと変わります。これまで、アウトコース低めの変化球に、”やる気のない感じのスイング”で三振になってしまうシーンが多かった梶谷ですが、最近は、怪しい球はカット、ボール球には手を出さなくなりました。これはオープンスタンスに戻したから。ボールを見れる、選球眼がよくなったからなんじゃないかなと思います。

 ちなみに本日の試合は足で稼いだものも含めて4打数2安打。2打席目のセンターフライと4打席目のライト方向へのヒットはとてもいい当たりでした。どちらも内側に入る梶谷が好きそうなコースの球でした。苦手なものはカットして、好きなものを狙っていく。こういう態度で打席に臨んだ方が梶谷はいいのかもしれませんね。

■関根くんの叩きつけて同点問題

 本塁打攻勢が印象に残った本日の試合ですが、足で稼いだ8回の攻撃もよかったですね。梶谷安打でノーアウト1塁、倉本バントの構えからバスターエンドラン。完全にバント体制に入っていた中日守備陣の三遊間をバウンドの高い打球で抜けていきます。ちょうど三遊左の真ん中をボールが転がっているところで梶谷はスピードを緩めずに三塁へ。これでノーアウト1,3塁。しかも3塁は足の速い梶谷。ここで関根くんはセカンドに叩きつけるような内野ゴロを放ち、同点に持ち込みました。コリジョンルールもあるので、本塁には投げづらい。このバッティングはよかったですね。変に当たりがよいと、本塁タッチプレイなりかねなかった。玄人好みのシーンでした。この打席は関根くんの査定に入れてほしいです。

■筒香があきらめずに2打席連続本塁打を打ってくれた問題

 素晴らしい。筒香の本塁打はライトスタンドが盛り上がります。この2本はどちらも2死からの本塁打でした。5回はロペス併殺打後の1打。7回はエリアン、ロペスがあっさり倒れた後の1打。悪い流れがたまっているところで、しかも中日に突き放されそうなところで放ってくれた1打なので、「まだ、いけるぞ感」を残してくれました。あきらめずに打席に入った筒香選手に”あっぱれ”をあげたい。

 よく言われてますけど、打撃は水物なので、何点取れるかわからない。でも、取れるときには取っておきたい。何点取っても、最後まで試合はどうなるかわかりませんから。仕留められるところは仕留めてほしい。それが4番です。速球実力派投手の内角高めストレートに弱い筒香選手ですが、これからも精進してもらいたいです。

■ロペスのサヨナラホームランが「超きもちいい」問題

 スタメン発表のときは驚きましたけどね。ロペス3番は私は反対です。ロペスは超プルヒッターなので、筒香に回したい場面のとき、仕留めきれないと引っかけて内野ゴロの併殺になりやすい。3番候補の宮崎は広角に打てるので、その可能性が減る。梶谷は足が速いので併殺崩れになる可能性がある。

 実際、5回にそういうことが起こりましたね。桑原エリアン出塁でノーアウトランナー1,2塁。このケースは併殺になっても筒香に回りましたが、これが1アウトだったら、筒香2ランはありませんでした。

 多分、今日は連敗が続いていたためにカンフル剤として打順を変えただけなんだろうなあと思っていました。次の試合は5番ロペスにするんだろうと。でも本日の試合は3番ロペスだったから勝てたんですよね。

 9回。同点で代打石川、エリアンと倒れて2アウト。回ってきたのは3番ロペスです。2ボール1ストライクで打った瞬間にわかるサヨナラ本塁打でした。

 後でニコ生で確認したんですけど、2球目のスライダーはボールとバットがすごく離れた空振りでしたね。あれは変化球を投げさせるための巻き餌だったんじゃないかなあ。

 前に私はロペスについて”なんでも引っ張るいい意味でのバカバッター”と評しましたが、もしかしたら、結構クレバーなんじゃないかなあ。こんなことを言ったら失礼か。

 いずれにせよ、今日の試合は観戦してよかったです。超気持ちよかったです。山口俊がパクリだけど「超気持ちいい」って言ってしまう気持ちがわかるような気がしました。立場が全然違うけど。

 とりあえず、オールスター前に連敗が止まってよかったですね。自力優勝はなくなってしまったようですが、CS争いはまだまだ長いです。1つずつ丁寧な試合を作っていってほしいですね。